血管外科では動脈瘤、末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症、バージャー病など)、急性動脈閉塞症、下肢静脈瘤、深部静脈血栓症、リンパ浮腫などの診療を行います。保存的治療から、カテーテル治療、外科手術まで、病気の状態に応じた治療を行います。
- 下肢静脈瘤
下肢静脈瘤とは、下肢の浅い部位に存在する静脈の逆流防止弁が壊れたために、下肢表面の静脈が瘤(こぶ)状に膨れたものです。美容的な問題、足のだるさ、こむら返り、むくみなどのほか、下腿の色素沈着や潰瘍(皮膚がえぐれる)などの症状が出ることがあります。根治性の高い治療として手術治療があり、当院ではレーザー機器による血管内焼灼術が可能です。下肢静脈瘤の程度や患者さんの希望に応じて圧迫療法や硬化療法、ストリッピング手術なども行います。
動脈硬化が進むことで下肢の動脈血流が低下するため、間欠性跛行(かんけつせいはこう:歩くとふくらはぎや太ももが痛くなり、休むと痛みが改善する)、足の安静時痛、足の潰瘍、壊死などといった症状が出ることがあります。間欠性跛行の場合には、まずは運動療法、薬物療法を行い、それでも症状が改善しない場合や著しく日常生活に支障がある場合には血行再建術を行います。一方、重症虚血肢は下肢切断の危険が非常に高く、血行再建術が第一選択となります。血行再建術には外科手術(バイパス手術など)と血管内治療(カテーテル治療)があります。血流障害の原因となっている動脈の部位や程度により治療法を検討します。