
当科では甲状腺疾患の診断・治療を行っております。
(副甲状腺の診療も対応しております。)
首にしこりを見つけたり指摘されたりした場合、どこの診療科にかかればいいか迷うこともあるかもしれません。首の後ろ寄りのしこりの場合はリンパ節の病気のことがあり、まずは内科受診をお勧めします。あごや耳の下のしこりの場合は、多くは耳鼻科の疾患となります。一方で首の前面で「のどぼとけ(=甲状軟骨)」より下のしこりであれば、甲状腺が関わっていることが多くなります。
バセドウ病が代表的ですが、この疾患は放置すると命の危険を伴いますので、しっかりと治療する必要があります。薬物治療のほかに、場合によっては放射線治療や手術治療も選択されます。 他に炎症に伴う亜急性甲状腺炎や無痛性甲状腺炎という疾患もあります。 また、まれに腫瘤がホルモンを作るという疾患もあり、手術が必要となることもあります。 いずれにも共通する症状は「動悸や頻脈、体重減少、手の震え、多汗、倦怠感(だるさ)」などがあります。
橋本病(=慢性甲状腺炎)が代表となります。代謝が低下する疾患ですが、命にかかわることはありません。
症状としては「倦怠感(だるさ)、冷え性、足のむくみ、太るなど」となり、あまり特徴的な症状はありません。
ホルモン不足を認めた場合は薬物治療となります。
C)良性の甲状腺腫瘤
良性の甲状腺腫瘤の大部分は手術を行わないで様子を見ることが可能です。一方で、増大傾向のある場合や圧迫感などの症状のある場合、もしくは美容面から目立つ場合などにはご希望により手術を行って切除することも可能です。ホルモンを産生する特殊な腫瘤の場合には手術が必要になります。
D)悪性甲状腺腫(甲状腺癌)
甲状腺癌(『疑い』を含む)の場合は、さらに広がり具合(転移状況)を検査します。腫瘍の状態や全身状態、患者さんの希望を考慮して手術を行うかどうかを相談します。当科では甲状腺を全部切除する甲状腺全摘術や一部分だけ残す甲状腺亜全摘術を行って治療をしております(入院は1週間前後)。 癌の状態によっては、さらに放射線治療が必要になることがありますが、その際は群馬大学附属病院と連携して追加治療が可能です。