緩和ケア病棟

病気と健康のお話

各診療科より、病気と健康についてのお話を掲載しています。

なんとなく乳房に違和感が・・・乳がん検診て、受けた方がいいの?
担当 : 放射線科

昨年9月に女性タレントの北斗晶さんが乳がんを公表し、手術を受けたことは記憶に新しく、各種メディアも毎日のように、乳がんや乳がん検診の重要性を取り上げていました。乳がんを身近に感じ、「乳がんて怖いな」「若い人でもなるんだ」「乳がんになったらどうしよう」と思った人も多かったかと思います。でも「まさか私はならないでしょ~」「12人に1人がなるって言ってもね~私にかぎって・・・」「家系に乳がんなった人はいないし・・・」と、どこかで自分だけは違うと思っていませんか?
12人に1人という数字、小学生のお子さんを持っている方は、授業参観に出かけることもあるでしょう。ひとクラス30人とすると、2~3人のお母さんが乳がんにかかることになります。自分でなくても仲の良かったママ友や、子供が仲良くしていたお友達のお母さんが乳がんだとしたら・・・複雑な気持ちになりますよね。
日本において乳がんは急増しており、1994年に胃がんを抜いて、女性のがんの中で罹患率が最も高いがんと言われています。多くのがんは高齢者になればなるほど罹患しやすくなるのが一般的ですが、乳がんはその発生に女性ホルモンなどの要素が大きく作用しており、年代別割合のピークは、日本を含めたアジア諸国において、罹患のピークが40代後半から50代前半にあるという特徴的な分布を示すことが知られています。この年代の女性は、家庭でも職場でも働き盛りです。家事に育児に仕事、高齢になった親の介護など、とても忙しく自分の身体のことはつい後回しにしがちではありませんか? そこで乳がんのことや、乳がん検診のことを少しお話させて頂きたいと思います。
乳がんは自分で発見できる数少ないがんのひとつです。発生する部位が身体の表面に近く、定期的なセルフチェックで、しこりや乳房の形の変化を発見できます。しかし、「しこりで触れることが出来ないがん」があるというのも事実です。例えば乳管に沿って広がり、しこりを形成しないもの、しこりとして触れる前の小さなものなど、セルフチェックだけでは、なかなか気付き難いものもあります。そのような場合、マンモグラフィが重要になります。
マンモグラフィは乳房専用のX線撮影のことで、腫瘍の有無や大きさなどがわかり、しこりになる前の石灰化した小さな乳がんの発見に威力を発揮する検査です。上半身裸になり、乳房を左右片方ずつ、X線フィルムを入れた台と透明なプラスチックの板で挟んで、平らにして撮影します(これを圧迫といいます)。視触診だけでは見つけづらい、小さいがんも発見できた例もあります。小さな病変を写すために、圧迫はマンモグラフィにとってとても重要です。しかし、丸みをおびた乳房を平らにするわけですから、痛みを伴うのも事実です。多少個人差はありますが、検査全体は10~15分、その中で1回の圧迫は数秒程度になります。また、乳がんは女性特有のがんだと思われていますが、男性も発症します(男女比は1:99)。男性でも乳がんが疑われた場合、同じような撮影方法で検査を受けます。「胸がこんなに小さいワタシでも大丈夫なの?ちゃんと挟めるの?」という方、心配はいりません。
先述したように乳がん罹患は40代から50代前半がピークとされていますが、乳がんにかかる人は30代から40代にかけて急増しています。「閉経後は大丈夫」「60過ぎたから乳がんにならない」ということもありません。また若いからといって油断は出来ません。乳がんは何歳でもかかる可能性があります。つまり「乳がんにならない」といえる人は一人もいません。
検診を勧める理由は、乳がんによる死亡率を低下させたいということ、そして、がんを早期に見つけることで、入院期間・治療期間の短縮、経済的負担の軽減になるからです。まずは皆さんが早期発見のために自分自身で出来ること、日頃から自分の身体に関心を持ち、20~30代の方は月一回のセルフチェック、40歳を過ぎた方はセルフチェックに加えて、最低でも2年に一回はマンモグラフィ検診を受けることをお勧めします。「しこりを触れる」「なんとなく違和感がある」異変を感じたら次の検診まで待たずに、乳腺専門医のいる医療機関を受診してください。年齢や乳腺密度など考慮して、適切な方法を判断してくれますので安心してください。
当院では、安心して乳がん検診を受けていただくためにマンモグラフィ・乳腺エコーはすべて女性技師で対応します。私たち技師も同じ女性として、早期発見の手がかりを逃すことの無いように・・・そんな気持ちで日々検査に取り組んでいます。乳がんが見つかったら怖いし・・・、忙しいし・・・と思っている方。不安があるから検診を受けるのではなく、「何も症状がないからこそ検診で早期発見に努める」というのが、検診を受ける際の正しい考え方です。 自分や大切な人のために、まずは乳がん検診を受けてみてはいかがでしょうか?

血圧計のお話
担当 : ME科

当院に来院される方の中で、血圧を測定したことがないなんて方は、まずいらっしゃらないと思います。家庭に血圧計をお持ちの方もたくさんいらっしゃることでしょう。血圧測定法には『直接法』と『間接法』の2つの方法があります。水銀柱血圧計を使い、カフ(腕に巻く部分:マンシェットともいいます。)と聴診器で血圧を測る方法を『間接法』といいます。今回は、この『間接法』の原理のお話です。自動(電子)血圧計も『間接法』のひとつですが、またあと(次回以降)でお話ししますね。 最近では、あまり見かけなくなったかもしれませんが、以前は、水銀柱血圧計を使って血圧を測定していました。腕に巻いたカフと腕の間に聴診器を入れて測定する看護師さんの姿が懐かしい方もいらっしゃるでしょう。さて、この看護師さんは聴診器で何を聴いているのでしょう。それは、『コロトコフ音』と呼ばれる血管内の血流が変化する時の音を聴いているのです。
腕に巻いたカフを加圧し、徐々に空気を抜いていくと脈動するような「ボコッ、ボコッ…」「ドクン、ドクン…」と音がして、やがて消えていきます。一番初めの音の時のカフ圧が『最高血圧』、消えた時のカフ圧を『最低血圧』とするのが『間接法』であり、基準となる音を『コロトコフ音』といっています。 では何故、このような音が聴こえてくるのでしょうか?
 ①カフを腕に巻き、外から血管内圧より大きな力(カフ圧)で圧迫すると血管はつぶれて血流が止まります。
 ②カフ圧を徐々に抜いていき、最高血圧より少しでも低くなると血流が再開し、大きな圧力が末梢に向かい、末梢の血管は急に膨らみます。
 ③この急激な膨張が聴診器を下からドンと叩き、「ボコッ」や「ドクン」といった音を立てます。この時が『最高血圧』です。
 ④カフ圧が下がってくると閉じた血管が開くたびに「ボコッ」や「ドクン」という音を生じます。
 ⑤カフ圧が最低血圧より少しでも低くなると血流は止まらないので、血管の膨張は起こらず音は消失します。この時が『最低血圧』です。
一見単純そうな機器でも、そこには理にかなった原理があります。自動(電子)血圧計も基本的にはこの原理が採用されています。現在では、間接法測定の主役の座を自動血圧計に奪われてしまった水銀柱血圧計ですが、デジタル化が進む現在において、アナログな生体情報をアナログチックに教えてくれる何となく感じる有機質感が臨床工学技士心をくすぐり、暖かくしてくれるような気がします。時代の流れは仕方がありませんが、それでもアナログをこよなく愛する臨床工学技士がここにひとりいます・・・

白血球の役割について
担当 : 検査科

身体の隅々までくまなく駆け巡り、酸素や水分、栄養分などを各組織に供給するとともに、老廃物などを組織から受け取り運搬するという重要な役割を担っている血液。血液中の赤血球や白血球、血小板といった細胞の測定は、血液の病気の診断だけではなく、身体の中の状態を把握する基本的な検査の一つとして、健康診断などでも行なわれています。今回は、血液に含まれる細胞成分の一つである白血球をピックアップしたいと思います。  白血球は、外部から体内に侵入した異物を排除する役割があります。細菌感染症などにかかっているときには白血球の数が増加します。けがをした後など傷から膿が出てくることがありますが、膿には細菌と戦った白血球の死骸が含まれています。一方骨髄の造血機能の低下等があると、白血球数は減少します。白血球数の基準値は成人の場合血液1μL中約3000~9000個となっていますが、年齢や性別、運動、食事、喫煙、ストレスなどによって変動しますので、基準値から少し外れたからいってそれほど心配することはありません。
白血球はその役割からさらに5種類に分類することができます。
 好中球は異物の侵入に対して真っ先に現場に急行し異物を貪食・分解します。白血球全体の40~70%を占めています。リンパ球は好中球に次いで多く、異物が侵入した際に抗体を作って撃退するほか、異物を記憶して次の侵入に備える役割があります。単球は好中球から遅れて現場に到着し、異物の貪食・消化を行ないます。好酸球はアレルギー疾患や寄生虫感染症などで増加します。好塩基球は白血球の中では最も少なく、アレルギー反応に関与していると考えられています。
 白血球数や白血球分類は自動血球計数装置で短時間のうちに測定することが可能ですが、装置でとらえることができない変化については、臨床検査技師が顕微鏡などで詳しく観察し、医師に報告を行なっています。

脳ドックについて
担当 : 放射線科

 人間ドックは体の状態をチェックし、病気の早期発見・治療に役立てる目的で始められました。しかし一般的な人間ドックでは、すべての病気に対して有効というわけではありません。より詳細に体の中を見るために、追加検査として脳ドック、心ドック、肺ドックなど、様々なものがあります。今回は脳ドックについて少しお話したいと思います。
日本人の死亡原因の上位にある脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)については、通常の人間ドックで危険因子を把握できても、実際の脳の病変までは知ることができません。発症すると言語障害や麻痺などの後遺症を残すことがありますし、場合によっては生命を一瞬にして奪ってしまうこともある恐ろしい病気です。これらの病気は発症してからの治療では遅く、発症を未然に防ぐための予防が重要になります。
当院の脳ドックは、頭部MRI・MRA検査と眼底写真検査を行います。放射線科では頭部MRI・MRA検査を行っており、検査時間は約20分です。装置は1.5T(テスラ)のMRIを使用し、装置本体が比較的短く、患者様への負担を軽減した装置を使用しています。検査は少し狭い空間(トンネル)に仰向けに寝た状態で入り、撮影が始まると大きな音がします。検査中は声が聞き取りにくくなる為、呼び出しボタンを持って頂き対応しています。音が非常に大きい為ヘッドホン、または耳栓をつけて音を軽減しています。後は動かないよう、リラックスした状態で検査を受けて頂きます。
頭部MRI検査では、脳を多種類の画像で撮影し異常の有無を見ます。代表的なものは無症候性脳梗塞があり、これは病変が小さいため自覚症状が現れない脳梗塞で、本格的な脳梗塞を起こす危険が高くなるといわれています。頭部MRA検査では、頭蓋内の主要な血管を描出し、走行や形状の異常が無いかを見ます。代表的なものは脳動脈瘤があり、破裂するとクモ膜下出血をおこす危険な病気ですが、ほとんどの人が無症状です。これらを発見できる方法として、脳ドックが重要な役割となっています。検査を行い異常が発見されたとしても、生活習慣の指導・改善を行うことにより、特別な処置を行わなくても発症のリスクを下げることが出来ます。
高血圧、糖尿病、脂質異常症などの脳卒中につながる生活習慣病がある方、あるいは家族や知人に脳卒中を起こした人いる方、自分の脳の状態を把握するために、脳ドックを受診してみてはいかがでしょうか。

熱でも測ってみましょうか?
担当 : ME科

病院内には工学技術を駆使した様々な医療機器が稼働しています。皆様にとって、身近な医療機器というとどのような機器を思い浮かべますか?今回は、身近な医療機器の中でもこれからのシーズンに大活躍する『体温計』についてお話しますね!
従来では『水銀体温計』が一般的に使用されていましたが、現在では『電子体温計』が主流になっています。理由は簡単、維持管理が容易だからなんです。また、正確性を求めるならアナログ信号である生体情報をアナログのまま水銀柱が表示してくれる水銀体温計の方が優れていますが、欠点は時間がかかることです。このような点から電子体温計の時代がやってきました。
電子体温計は、『サーミスタ』と呼ばれる温度センサーが体温を感知し、温度が変わると、電気抵抗が変化する性質があります。この原理を電子回路を使って電気抵抗を測定し、デジタル表示すれば電子体温計が出来上がるわけです。こんな仕掛けがあの小さなケースに押し込まれています。そこで注意が必要なのが、電子体温計には、「予測式」と「実測式」という2種類の方式があるということです。正に文字通りですが、「予測式」というのは、数秒から1分程度で「ピピッ」と音が鳴って体温が表示されます。ですが、この表示は実際に測定された体温ではなく、数秒から1分程度測定した体温から5~10分後の体温を内蔵コンピュータが予想しているに過ぎません。便利ですが、予想が外れてしまう場合もあるわけです。「実測式」というのは、時間がかかりますが実際に測定された体温をデジタル表示していますので、予測式に比べれば正確です。より細かく正確な体温が知りたい婦人体温計に実測式が多い理由はこのためです。
もう一つ、耳よりな話かどうか分かりませんが、『耳式体温計』というものもあります。鼓膜温度式体温計とも呼ばれ、鼓膜の裏側には、脳の体温中枢である視床下部に血液を送る内頸動脈が走っています。この中の血液温度は身体の深部の温度である中枢温を反映していて、鼓膜の温度も近似しているのです。熱を持った鼓膜からは赤外線が放射されます。その赤外線の強度を外耳道(耳孔)に差し込んだセンサープローブで測定すると鼓膜温度が分かる仕組みです。応答速度が速いので1秒程度で測定できますから小児科で重宝されているようです。もちろん欠点もあります。耳孔内の障害物(耳垢、汚れ、耳毛など)や耳孔奇形などにより耳孔が曲がっていて鼓膜測定がしっかりとできない場合は信じられない数値を表示してしまいます。十分注意して使用してくださいね。
最後に、医療機器の専門家がこんなことを言っていいかわかりませんが、実は最も優れた体温計は、発熱してしまって、ぐったりしているお子さんのおでこに静かに手を乗せてくれる『優しいお母さんの手のひらセンサー体温計』なのかもしれません。

ロコモティブシンドロームについて
担当 : リハビリテーション科

● ロコモティブシンドロームとは
よく「ロコモ」と略して呼ばれており、日本語では「運動器症候群」と言われます。ロコモとは、年を取って足腰が弱くなり、放っておくと寝たきりや要介護の状態になることです。
● ロコモの原因
加齢に伴う筋力やバランス能力の低下と、変形性関節症・骨粗鬆症に伴う円背・変形性脊椎症・脊柱管狭窄症などの運動器疾患が原因です。これらが、独立して進行するのではなく、各要素が関連しながら進んでいくのがロコモです。
● ロコモーションチェック(ロコチェック)
加齢に伴う筋力やバランスの低下はゆっくり静かに進行します。年のせいだと放置せずに、積極的に察知し対処を行うことが重要です。
【ロコチェック】
1. 片足立ちで靴下が履けない
2. 家の中でつまづいたり滑ったりする
3. 階段を上がるのに手すりが必要である
4. 横断歩道を青信号で渡りきれない
5. 15分くらい続けて歩けない
6. 2㎏くらいの物を持って歩くのが困難
7. 掃除機や布団の上げ下ろしなどのやや重い家事が困難
この7項目の中で、1つでも当てはまるものがあればロコモと判断されます。
● ロコモーショントレーニング(ロコトレ)
ロコチェックでロコモと判断された場合、ロコトレを行うことをお勧めします。
1. 片足立ち
片足ずつ1分間行います。不安な場合は手すりやいすなどに掴まって行いましょう。
2. スクワット
腰を後ろに引き、腰かけるような動作で膝を曲げていきます。バランスがとりにくい場合はいすやテーブルに掴まって行いましょう。なるべくゆっくり行った方が効果的です。1回を10秒~12秒かけて行い、5~6回行います。これを1日2~3セット行いましょう。
  これ以外にも、ウォーキングや水中歩行なども効果的です。また運動中は、無理をしないこと、痛みなどが出る場合は運動を中止しましょう。このような運動はいかに継続できるかが大切です。楽しみながらロコトレを行いましょう!

糖尿病性腎症について
担当 : 検査科

糖尿病によって起こる腎症では、腎不全といったかなり進行した状態になるまでは、ほとんどなにも、症状となってあらわれることがありません。ですから、あくまで採血や尿からの検査の結果で、善し悪しを判定するしかありません。
 初発症状は蛋白尿で、普通では排出されないはずの蛋白が、尿の中に出てきてしまう状態です。一般には糖尿病発症後10年から15年を経過する頃から認められます。しかし初めのうちは、間欠的に出現する場合が多いので、放置されることもあります。いつも蛋白が出続ける状態になると腎症はある程度進行してしまった時期といえます。
 最近ではこうした従来の試験紙法で蛋白尿陽性となる以前に、尿中に微量アルブミンを検知することが可能になりました。これは試験紙法ほど簡単ではありませんが、それでも専用の試薬を使用し、短時間で容易に判定できます。この時期に血圧や血糖のコントロールなどを厳重に行えば、腎症への進展が阻止できる可能性が高いことがわかってきたため、この時期で腎症を発見することが大変重要だと考えられいます。
 放置していると次第に尿中の蛋白排出が増加し、ついには1日何グラムもの量になります。この時期をネフローゼ症候群と呼びます。こうなると、一般には1~2年くらいのうちに腎機能低下が顕著となり、腎不全となります。
 このような過程において、下肢の浮腫、心不全、尿毒症(腎症で排泄できない毒素が体内に溜まってくる状態)を起こしてきます。さらに悪化すると人工透析や腎臓移植などの治療を受けるしかありまぜん。これは患者さんにとって大変な負担になります。
合併症予防にとってもっとも大切で忘れていけないことは、きちんと病院に通院し、定期的に医師に適切なアドバイスを受けることです。しっかり毎月の血糖コントロールの状況を把握し、高血糖が悪化する徴候があれば、すぐにそれに対応することがもっとも大事です。合併症が進んだ事態にならないよう、患者さんが病気に対する正しい知識を持ち、しっかり医師の指導を受けるようにしてくださいね。

肺ドックCT検査のすすめ
担当 : 放射線科

厚生労働省の人口動態統計によると2013年の集計では、日本における部位別がん死亡率の第1位は「肺がん」で男性約5万2千人、女性約2万人となっています。ある統計によると2020年におけるがん患者数の推計で男性では肺がんの新患者数が約9万1千人、女性では3万4千人になると予測されています。
肺ドックは早期の肺がんを見つけ、早期治療できるようにするための検査であり、放射線科ではマルチスライスCTを使用し、肺ドックCT検査を行っています。CT(コンピュータ断層撮影)は、X線を利用して身体の断面を撮影する検査です。X線を照射する装置が身体の周囲を回転しながら撮影したデータを画像化します。
胸部X線検査では非常に小さながんを発見することは困難ですが、CT検査では5ミリ程度の小さながんを発見することが可能です。胸部X線写真では写らない小さな塊や骨に重なって見えにくいもの、心臓の近くの病変でもCT検査では発見できることがあります。
 当院の肺ドックCT検査は、マルチスライスCTの性能を生かして早期肺がんを見つけ易いように「薄い」画像を撮影し、検査を受ける方の呼吸を止める時間を短くして苦痛を和らげると同時に放射線被曝量の少ない検査を行っています。胸部X線検査・喀痰細胞診を組み合わせることにより、精度の高い、的確な診断ができます。ヘビースモーカーなど、肺がんのハイリスクの方は定期的に肺の総合健診を受けられることをお勧めします。
 また、肺ドックCT検査では、同時に他の肺疾患や縦隔の病気も発見することが出来ます。
 近年の肺疾患で話題になるのが「COPD」です。COPDは慢性閉塞性肺疾患を略したもので、息をするときに空気の通り道となる「気道」に障害が起こって、ゆっくりと呼吸機能が低下する病気です。以前は「肺気腫」、「慢性気管支炎」などと呼ばれていた病気をまとめてCOPDと呼び、別名「タバコ病」とも言われています。
ありふれた症状で始まり、ゆっくりと進行するため、異常を感じて受診したときには重症に陥ってる場合が多い「肺の生活習慣病」です。WHO(世界保健機関)では死亡原因の第4位となっています。特に次のようなことに思い当たる方には検査をお勧めします。タバコの喫煙歴20年以上、咳や痰が出やすい、同居者に喫煙者がいる、家族や親戚が肺の病気を持っている方、肺ドックCT検査を受けてみてはいかがでしょうか。

『いのちのエンジニア』~臨床工学技士をご存知ですか?
担当 : ME科

ME科からは睡眠時無呼吸について、2回目では在宅酸素療法についてお話をしました。そのような中、頭の片隅にふとよぎったことがあります。このページをお読みの皆様は、「『ME科』って何?」と思っていないでしょうか?いいや、きっと思っているはずです。“ME”とは、Medical Engineering:医用工学(医学に役立てるための工学技術)を意味します。
そこで、ふと思ったのですが、『病気と健康のお話』をするにあたって、ME科で働く我々の自己紹介を忘れてました。というわけで、今回は、『いのちのエンジニア』と呼ばれる我々『臨床工学技士』についてお話しさせてください。
臨床工学技士とは、臨床工学技士法という法律に基づく、医療業務上の資格の名称であり、国家試験に合格して厚生労働大臣の免許を受け、医師の指示のもとに「生命維持管理装置」の操作及び保守点検を行うことを本態業務とします。
ここでいう「生命維持管理装置」とは何かというと、人の呼吸(肺)、循環(心臓)、代謝(腎臓や肝臓)といったような生命の維持に直接つながる機能を代行したり、補助したりする装置のことです。例えば、人工呼吸器や人工心肺装置、血液浄化装置などで、これらを使用して治療を行わなければ生命そのものが失われかねない装置のことをいいます。
このような装置の保守点検を行い、その装置を身体に接続し、安全に且つ有効に操作し、取り外すためには、必然的に装置の構造、作動の原理などについての専門的な工学的知識と理解、医学的知識が必要になります。つまり、医療機器の絶対的なスペシャリストです。だから『いのちのエンジニア』と呼ばれるわけです。
そして、その社会的使命は、医療提供に際し安全性・有効性維持に貢献しつつ、医療技術の発展、適正医療の普及、医療機器安全管理体制の確立等です。先進の医療機器が投入され、高度医療が推進される医療現場で、『臨床工学技士』に求められるものがますます増大し、またその質的な向上が求められています。我々が今後の医療において、どのように貢献しうるか、より安全で質の高い医療の実現に向けてどのような役割を担っていくことができるのかが重要な命題です。
我々、臨床工学技士もチーム医療の重要な一員として全国の病院で活躍しています。ICUやCCU、NICU、救急室や手術室、透析室、心臓カテーテル室、高圧酸素療法室、そしてMEセンターや在宅医療で・・・
当院に限らず、別の病院に行った時でも、「あっ、この病院にも『いのちのエンジニア』はいるのかな?」なんて思っていただけると嬉しい気持ちでいっぱいです。

『心臓超音波検査について』
担当 : 放射線科

心臓超音波検査は心エコーとも呼ばれ、音波の中でも人間の耳には聞こえないくらいの高い周波数の超音波を利用して、絶えず働いている心臓の動きを実際に見ることが出来ます。超音波を心臓に発信し、返ってくるエコーを受信して心臓の様子を画像に映し出します。痛みもなく、X線撮影やCT検査のように放射線による被曝の心配がありませんので妊婦の方でも安心して受けることが出来ます。
心臓超音波検査では心臓の大きさ、形、心臓の壁の厚さ、動き方、血液の流れる速度、方向などが分かります。心臓病の中には心臓のサイズが大きくなる場合や小さくなる場合などいろいろありますが、一般的に大きくなったときは心臓が弱っていることが多いです。大きさを評価し心臓の状態を把握することは大切なことです。
また、心臓の動き方を見て動いていないところがあれば心筋梗塞が疑われ、その領域の血管が詰まっているかもしれないと予想することが出来ます。そして血液の流れる速度や方向を見ると、心臓についている『弁』がうまく働いているか分かります。心臓は4つの小部屋からなり、部屋と部屋の間には血液が逆流しないための弁がついています。もし弁がうまく機能しなくなって逆流する場合は弁逆流、弁の開きが悪くなって血液がスムーズに流れないときは弁狭窄となります。血液の流れる方向や、流れる速度を評価すれば診断がつき、重症度も判断できます。
当院では経胸壁心エコーという検査を行っています。この検査は基本的に食事の制限はありません。服装は上半身肌着1枚程度まで脱いで服を捲くり、探触子という超音波を送信する機器を胸部や腹部にあてて検査をします。このとき、画像をきれいに描出したり探触子の動きをスムーズにするために探触子と皮膚の間に専用のゼリーを塗りますが、ゼリーは水と同じような成分なので人体に害になるようなことはありません。ベッドに左横向きになって寝ていただき、20~30分検査します。(検査目的によってはもっと時間がかかる場合があります)検査中に心臓を見やすくするため、呼吸の合図や体を動かしてもらうことがあります。
検査結果は週2回、循環器内科の医師により読影され、臨床に情報を提供しています。専門の医師の指導で、検査を担当する技師も日々勉強を重ね、診断の一助となりうる画像を提供できるように努力しています。また、患者様に安心して検査を受けていただけるようコミュニケーションをとりながら検査を進めていくよう心がけています。

まずはすぐに禁煙を!!!~COPDとHOTのおはなし~
担当 : ME科

COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)とは、慢性閉塞性肺疾患と訳されるタバコ煙などの有害物質の吸入により生じた肺の炎症性疾患です。COPDの主な原因(危険因子)はタバコ煙であり、タバコ煙に含まれる有害な微粒子やガス成分が肺の炎症を引き起こして、末梢気管支の線維化(末梢気道病変)や肺胞の破壊(肺気腫)をもたらすと考えられています。その他の危険因子としては、大気汚染、職業上の粉塵やガス吸入、バイオマス燃焼煙、加齢、遺伝因子(α1-アンチトリプシン欠損症など)などがあります。喫煙者の20%程度が発症することから、喫煙感受性を決めるなんらかの遺伝素因があるとも考えられています。主な症状としては、労作時(運動時)の呼吸困難や咳、痰があげられます。
現時点でCOPDを根本的に治し、もとの健康的な肺に戻す治療法はありませんが、少しでも早い段階で病気に気づき、適切な治療とリハビリテーションを開始すれば長期延命が可能な疾患です。
その治療のひとつとして挙げられるのがHOT(Home Oxygen Therapy:在宅酸素療法)と呼ばれる治療法です。COPDでは、肺機能が低下し、低酸素状態になることがあり、酸素吸入は重要な治療のひとつです。しかし、この酸素吸入療法は1985年前後までは医療施設でしか行うことができず、長期の入院が必要となるなどの欠点を持っていました。それを劇的に変えたのがHOTです。これまで入院でしかできなかった酸素吸入を在宅で行うことにより、住み慣れた環境で療養を行いつつ、趣味や生活環境、社会活動を維持し、生活の質を高めることが可能となりました。
COPDに対するHOTの効果の中で最も科学的に証明されているのは、先にも述べたように生存期間の延長です。HOTを行うことにより、低酸素状態の持続によって生じる障害を予防することができます。このことが生存期間の延長に重要なのです。また、HOTは、在宅酸素療法という治療法でありながら、呼吸リハビリテーションの一環であるともいえます。生存期間の延長から、更に病態を安定させ、日常動作や生活の質のさらなる向上へと継げることができます。
当院では、呼吸器内科医師のもと、こうした治療に専門的な知識や技術、資格(呼吸療法認定士、在宅人工呼吸に関する指導者等)を持つ看護師、臨床工学技士、理学療法士がサポートを行っています。『もしかしたら?』と思ったら、是非受診してください。
それと、一番大事なことは、すぐに禁煙することです。

C型肝炎について
担当 : 検査科

C型肝炎とはC型肝炎ウイルス(HCV)の感染により起こる肝臓の病気です。肝臓は体に必要なタンパク質や栄養分の生成や貯蔵、不要となった老廃物や薬物の解毒など生きていく上で必要不可欠な機能をもっています。HCVに感染すると約70%の方が持続感染者となり、慢性肝炎、肝硬変、肝がんと進行する場合があります。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ予備能力が高く、自覚症状がないまま病気が進むことがあり、HCVの感染がわかれば症状がなくても検査や治療を検討する必要があります。
近年では治療方法の進化により治療効果が上がってきたため検査受診による早期診断が望まれています。


感染経路について

C型肝炎ウイルス(HCV)は血液を介して感染します。現在感染している人のほとんどは、過去の輸血や注射が原因です。かつてはHCVに汚染されていた血液製剤による感染もありました。現在は、輸血や血液製剤にウイルスが混入した血液を使用しないことになっているため、これらが原因で感染することはほとんどありません。


血液検査によって簡単に検査可能です

C型肝炎ウイルスの感染の有無は、ウイルスマーカーによる血液検査で調べます。 ウイルスマーカーには、HCV 抗体、HCVコア抗原、HCV- RNA があります。
C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べる検査がHCV抗体検査です。
HCV抗体陽性の場合、C型肝炎ウイルスに感染したことがあることを意味しますが、この場合現在もウイルスがいて持続感染をしている人と、以前に感染したことはあるが、治癒してウイルスのいない人が含まれます。
抗体検査が陽性と判断された場合、さらに精度の高いHCV核酸増幅検査を実施します。感染が認められた場合は、治療方針や肝炎の進行状態を調べるための検査へと進みます。


最初に実施する抗体検査の「抗体」とは?

人の体には免疫反応により異物を排除する能力が備わっています。免疫反応を引き起こす異物が抗原(今回の場合はC型肝炎ウイルス:HCV)、この抗原を排除するために免疫機構によって作られるのが抗体です。
抗体は抗原に結合しこれを破壊する働きをもち様々な病原体に応じて体内で作られます。
この抗体を高精度な検査試薬で検出することで感染の有無を判別することが可能です。


出展(参考):
・独立行政法人国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター肝炎情報センター
・肝炎.net

外食メニュー選びのポイント
担当 : 栄養科

単品よりも栄養バランスの良い定食を
私たちの生活の中で外食は欠かせない物になっていますが、外食が多くなると栄養のバランスが偏ってしまう場合があります。そこで外食時のメニュー選びのポイントをご紹介します。


量が多いときは「残す」

高カロリーで量の多い外食では、食べ過ぎにつながります。少し残すのはもったいないからと言って食べてしまわず、残す習慣も必要です。
外食では比較的味付けが濃く塩分過剰につながりますので、ラーメンなどの汁や漬け物などを控えることも必要です。


足りないものを補う

外食ではどうしても野菜不足になりがちです。
選ぶ時にも単品物では、野菜が入っているものにすることやサラダやおひたしをプラスするなどして、野菜を補うようにしましょう。


油ものを控える

揚げ物を蒸し物や焼き物に変える・肉などの部位ならバラ肉やロースなどの脂身の多い物からヒレやもも肉などの脂身の少ないものに変える、マヨネーズやドレッシングの量を控えたりノンオイルドレッシングに変えることでカロリーや脂肪を抑えることにつながります。
外食は便利で、楽しみの一つですが、できるだけ家庭で料理して、栄養バランスよく食べましょう。

当院のリハビリテーションについて
担当 : リハビリテーション科

患者様の社会復帰のサポートをします
リハビリテーション科は、安全で効果的なリハビリを提供し、患者様が社会復帰できるようにサポートしています。現在、理学療法士17名、作業療法士5名、言語聴覚士3名、事務1名の26名で業務を行っています。理学療法では、起居動作や歩行の自立を目標に筋力・バランス能力・持久力の向上を図り、可能な限りの機能向上を目指します。
その他に、関係職種と共同し福祉用具の選定や、ご家族に対する介助指導など安心して社会復帰できるようにサポートしています。作業療法では、日常生活動作の練習や工夫を行い、生活能力の向上を図ります。実際の生活場面に直結する能力の獲得を目指してご自宅に訪問し動作練習を行ったり、手工芸等の作業活動を行っています。言語療法では、日常生活に必要なコミュニケーション能力の改善を目指します。また嚥下障害の患者様に対して嚥下造影検査も含めた専門的な評価・治療を行い安全に食事が食べられるように支援しています。


365日リハビリテーション

当院の回復期リハビリテーション病棟は昨年より365日体制となり、より集中的なリハビリを行うことができます。回復期リハビリテーション病棟では、日常生活活動能力の向上による寝たきり防止と家庭復帰を目的に、それぞれの職種が協力し合い退院へと向けたリハビリを行います。病院で行うリハビリのほかに、実際に患者様のご自宅に訪問して、手すりなどの在宅改修の提案や動線の確認を行い、退院後も安全な生活が送れるようにサポートしています。また月に1回行われるリハビリカンファレンスではご家族様にも参加していただき、リハビリの状況や今後の見通しなどを話し合い、スムーズに退院できるように努めています。医師、看護師、リハビリスタッフ、ソーシャルワーカーなどが協力し、患者様が安心して社会復帰できるように支援しています。